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ぼうずやのにっき

三列乗車

大阪駅の大阪環状線プラットホームでは三列乗車なるものが要求される。

おそらく三列乗車とは電車の到着を三列に並んで待ち乗車することだ。厳密な定義は知らない。ホームの放送では何度も呼びかけられる。「三列乗車にご協力ください」と。

ぼくにはこの三列乗車がよく分からない。すべきことは分かるのだけど、どうして三列なのかが分からない。なぜ三列なのか。

電車の乗り降りを思い浮かべてほしい。電車が駅に近づくと放送が流れる。そして電車は速度を落としながら駅へと進入してくる。目印どおりに停車することはそうないので、人々は止まる電車のドアに合わせて移動する。ここで注意しないといけないのが、人々は必ずドアの正面をさけて並ぶことだ。なぜならまず降りる客を通さないと乗り込むことができないからだ。客がひととおり降りたところで列になった人々は電車に乗り込む。

さて考えてほしい。

ドアの正面をさけて並ぶとき三列で並ぶとどうなるのか。左の列、右の列はまあいいだろう。ドアの左右それぞれにつけばいい。問題となるのは中央の列である。

中央の列はどう並ぶのか。左か、それとも右か。動かずにドア正面を保つのだろうか。だとすると降りる客はどうなる。衝突だ。人の波に逆らう必要がある。きっと三列乗車を考えた人は左右のどちらかに並ぶことを考えているのだろう。

きっと電車の乗り降りをしたことがないのだ。だからそんな考えにいたるのだ。ぼくはそう思う。

たとえば中央の列の人々が右の列に行ったとしよう。もともと右の列だった人と分かれてきれいに二列になればいいが、そうはいかない。ほとんど割り込むような形で一列になるだろう。そしてもともと右の列だった人のうち後ろの方の人が座席に座る可能性は下がってしまう。きっとこう感じる「左の列に合流すれば良かったのに……」と。

はからずも中央の列はきらわれものだ。どうしようもない選択をせまられたうえにこの扱いだ。

ぼくは思う。「そもそも三列がいけないのだ」と。

二列か、ないし四列がいい。不公平感がない。ぼくは三列乗車を女性専用車両の次によくない考えだと思っている。三列目になることを恐れながら列をつくるのはもういやなのだ。

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