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ぼうずやのにっき

寿司屋に行ったことを回りくどく説明する

ひさしぶりにお寿司を食べた。

おそらく半年は食べていない。前にいつ食べたかを覚えていない。たしか直近のお店はスシローである。自転車でなんとか行くことができるような交通の便が悪いところにあるスシローである。もしかするとそれからどこかで食べたのかもしれないが、覚えていない。それくらいには前に食べてから間隔があいている。ひさしぶりである。

しかしながら、実を言うとまったく食べていないわけではない。スーパーマーケットで売られているものは食べている。タイムセールスのおいしくないやつを。ぜいたくではあるが、寿司は鮮度が大切である。味にはうるさくないつもりだけれど、それでもあれを寿司を食べた回数に加えるのは、日本人としていけないことをしている気がする。まったく食べていないわけではないが、おおよそ寿司と言えるものはまったく食べていない。

今日のお店は回らない寿司屋だった。回る寿司屋こそが寿司屋ではないかとさえ思える今日この頃だが、今日の寿司屋は前で握ってくれた。なんというぜいたくだ。さながら寿司生産工場とも言える回る寿司屋こそが、ぼくに適当な寿司屋だと思うのだけど、今日の寿司屋にはベルトコンベアが設置されていなかった。工業化の波に乗り遅れたのかもしれない。

回らない寿司屋が特別高いわけではないのだと分かった。ぼくにとっての寿司屋は回るものなので、回らない寿司屋は高いものだと思っていた。今日のお店がそうだからだろうけど、せいぜい1.5倍~くらいの値段だった。おかげでお腹いっぱい食べることができた。回らないけど、目が回るほどの額になっては困る。

上司と行った。上司は青魚が好きらしい。へえ。ぼくには特別好きなものはないので、そんな風にはっきりと好みを述べることができることを尊敬する。さばとかあじとかその他いろいろと8皿ほど食べた。腹がふくれればそれでいいのだ。「なんと貧しい考えだろう」と思うけれど仕方ない。

ひさしぶりに食べる寿司はおいしかった。詳細に説明したいけれど、ぼくには表現力がない。せいぜいテレビで見るような「とろける」とか「口の中に広がる」とかのくだらない表現しかできないので、詳細に説明するのは避けておく。まとめると値段相応の味である。

家に帰ったら、どうにも温かいものが食べたくなった。寿司は生ものだからどうしても寒くなる。ぼくは「日本人ならお茶漬けやろが」を思い出した。

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