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ぼうずやのにっき

育児休業

同僚が育児休業から復帰した。「お迎えに行かなくちゃ」と職場から一時間早く帰っていった。ぼくとはひとつしか変わらないはずなのだけど、ぼくとはずいぶんと違う感じがした。彼女は母親でぼくはまだ子どものような気がした。なんとなくおいてけぼりを食った感じがした。

そういえば妹の友人でさえ母親だった。その相手の、つまりは父親でさえもぼくより年下だった。一方でぼくは父親ではなくてタンパク質の塊なのだ。その違いは子どもの有無とつがいであるかどうかだけの差のはずなのだけれど、須磨の浜に打ち上げられた魚の屍骸とモンゴルの平原を駆ける馬たちとの間よりも大きな差を感じた。

ぼくはもう父親として十分な年齢のはずなのだけれど、ぼくはちっとも大人になりきれない。子どもを世話したいと思わないし、ぼくを世話してほしいとさえ思う。こんなことを言っているのだから、おいていかれて当然だ。まわりが幸せになったところで、ぼくが不幸になるわけではないのだから、みんな幸せになればいいのだ。

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